古典

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巻五・秋下 《嵐の意味》

これさたのみこの家の歌合のうた 文屋やすひて ふくからにあきのくさきのしをるれはうへやまかせをあらしといふらむ (249) 吹くからに秋の草木の萎るればうべ山風を嵐と言ふらむ 「是貞の親王の家の歌合わせの歌  文屋康秀 その風が吹くと直ぐに...
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第二百三十五段  空っぽの効用

主ある家には、すずろなる人、心のままに入り来る事なし。主なき所には、道行き人みだりに立ち入り、狐・梟やうの物も、人気にせかれねば、所得顔(ところえがお)に入り棲み、木霊などいふけしからぬかたちも、あらはるるものなり。又、鏡には色・かたちなき...
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《秋の野原》

仁和のみかとみこにおはしましける時、ふるのたき御覧せむとておはしましけるみちに遍昭かははの家にやとりたまへりける時に、庭を秋ののにつくりておほむ物かたりのついてによみてたてまつりける  僧正遍昭 さとはあれてひとはふりにしやとなれやにはもま...