古典

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《風の音による秋》

秋の歌合しける時によめる  紀よしもち もみちせぬときはのやまはふくかせのおとにやあきをききわたるらむ (251) 紅葉せぬ常磐の山は吹く風の音にや秋を聞き渡るらむ 「秋の歌合をした時に詠んだ  紀淑望 紅葉しない常緑樹の山は、吹く風の音に...
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第二百三十七段  故実への疑念

柳筥(やないばこ)に据ゆるものは、縦様・横様、物によるべきにや。「巻物などは縦様に置きて、木の間より紙ひねりを通して結ひつく。硯も縦様に置きたる、筆転ばず、よし」と、三条右大臣殿仰せられき。勘解由小路(かでのこうぢ)の家の能書の人々は、かり...
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《移ろいの季節》

これさたのみこの家の歌合のうた 文屋やすひて くさもきもいろかはれともわたつうみのなみのはなにそあきなかりける (250) 草も木も色変はれども海神の浪の花にぞ秋無かりける 「是貞の親王の家の歌合わせの歌 文屋康秀 草も木も色が変わるけれど...