2024-03

古典

《恋の既定》

寛平御時きさいの宮の歌合のうた きのとものり くれなゐのいろにはいてしかくれぬのしたにかよひてこひはしぬとも (661) 紅の色には出でじ隠沼の下に通ひて恋いは死ぬとも 「寛平御時の后の宮の歌合の歌 紀友則 顔色には出すまい。心の中で思って...
古典

《歌集の物語性》

題しらす よみ人しらす たきつせのはやきこころをなにしかもひとめつつみのせきととむらむ (660) 滾つ瀬の速き心を何しかも人目つつみの堰き留むらむ 「題知らず 詠み人知らず 逆巻く瀬のように激しい心をどうして人目の堤が留めているのだろう。...
古典

《男の言い訳》

題しらす よみ人しらす おもへともひとめつつみのたかけれはかはとみなからえこそわたらね (659) 思へども人目堤の高ければかはと見ながらえこそ渡らね 「題しらす よみ人しらす 思っても人目の堤が高いので、川と見ながら越え渡ることができない...