古典

《心の秋》

題しらす よみ人しらす しくれつつもみつるよりもことのはのこころのあきにあふそわひしき (820) 時雨つつ紅葉づるよりも言の葉の心のあきに逢ふぞ侘しき 「題知らず 詠み人知らず 時雨れながら紅葉するよりも言葉の心の秋(飽き)に逢うことこそ...
古典

《遠ざかる雁》

題しらす よみ人しらす あしへよりくもゐをさしてゆくかりのいやとほさかるわかみかなしも (819) 葦辺より雲ゐを指して行く雁のいや遠ざかる我が身悲しも 「題知らず 詠み人知らず 葦の生えている辺りから雲を指して行く雁のようにますます遠ざか...
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《悲しい気付き》

題しらす よみ人しらす ありそうみのはまのまさことたのめしはわするることのかすにそありける (818) 荒磯海の浜の真砂と頼めしは忘るる事の数にぞありける 「題知らず 詠み人知らず 波が荒い海の浜の砂と頼りにしたのは、忘れることの数であった...