2023-10

古典

《深き心》

題しらす 読人しらす とふとりのこゑもきこえぬおくやまのふかきこころをひとはしらなむ (535) 飛ぶ鳥の声も聞こえぬ奥山の深き心を人は知らなむ 「飛ぶ鳥の声も聞こえない奥山のように深い心を人は知ってほしいな。」 「飛ぶ鳥の声も聞こえぬ奥山...
古典

《富士山のたとえ》

題しらす 読人しらす ひとしれぬおもひをつねにするかなるふしのやまこそわかみなりけれ (534) 人知れぬ思ひを常にするかなる富士の山こそ我が身なりけれ 「人知れぬ思い(火)を常に存する、駿河にある富士の山こそが私の身なのだったのだがなあ。...
古典

《ざわつく心》

題しらす 読人しらす あしかものさわくいりえのしらなみのしらすやひとをかくこひむとは (533) 葦鴨の騒ぐ入江の白浪の知らずや人をかく恋ひむとは 「葦鴨が騒ぐ入り江の白波の「しら」ではないが、知らないことだなあ、人をこのように恋するだろう...