2021-09

古典

《桜は人の世の象徴》

題しらす よみ人しらすうつせみのよにもにたるかはなさくらさくとみしまにかつちりにけり(73)空蝉の世にも似たるか花桜咲くと見し間にかつ散りにけり空蝉の:「世」に掛かる枕詞。「空蝉」は、この世の人。現に肉体を持っている人間。似たるか:「か」は...
古典

第六十二段    幼き内親王の才気

 延政門院いときなくおはしましける時、院へ参る人に御言づてとて申させ給ひける御歌、ふたつもじ牛の角もじすぐなもじゆがみもじとぞ君はおぼゆる こひしくおもひまゐらせ給ふとなり。延政門院:後嵯峨天皇の第二皇女悦子内親王。申させ給ひける:「申さ」...
古典

《落花乱舞》

題しらす  よみ人しらすこのさとにたひねしぬへしさくらはなちりのまかひにいへちわすれて(72)この里に旅寝しぬべし桜花散り紛ひに家路忘れてしぬべし:「し」動詞「す」の連用形。「ぬ」完了の助動詞の終止形。「べし」推量の助動詞の終止形。「この里...