2022-03

古典

《夏に貴重な鳥》

題しらす よみ人しらす いまさらにやまへかへるなほとときすこゑのかきりはわかやとになけ (151) 今さらに山へ帰るな郭公声の限りは我が宿に鳴け 「せっかく出て来たのだから今更山へ帰るな、郭公よ。声が出る限りは我が家で鳴け。」 「帰るな」と...
古典

第百三十七段    何を見るべきか

さやうの人の祭見しさま、いとめづらかなりき。「見ごと、いとおそし。そのほどは桟敷不要なり」とて、奥なる屋にて酒飲み、物食ひ、囲碁・双六など遊びて、桟敷には人を置きたれば、「渡り候ふ」といふ時に、おのおの胆つぶるるやうに争ひ走りのぼりて、落ち...
古典

《泣き声に対抗する鳴き声》

題しらす よみ人しらす あしひきのやまほとときすをりはへてたれかまさるとねをのみそなく (150) あしひきの山郭公折延へて誰が勝ると音をのみぞ鳴く 「山郭公が時を引き延ばして誰が勝つかと声を上げて鳴き続けている。」 「あしひきの」は、「山...