2024-04

古典

《夏草のように》

題しらす 凡河内みつね かれはてむのちをはしらてなつくさのふかくもひとのおもほゆるかな (686) かれ果てむ後をば知らで夏草の深くも人の思ほゆるかな 「題知らず 凡河内躬恒 離れてしまうかもしれない後を思わず、夏草のように深く人が思われる...
古典

《恋の真相》

題しらす ふかやぶ こころをそわりなきものとおもひぬるみるものからやこひしかるへき (685) 心をぞわりなき物と思ひぬる見るものからや恋しかるべき 「題知らず 深養父 心を道理の無い物と思ってしまった。逢っているのに恋しいはずかよ。」 「...
古典

《恋歌のお手本》

題しらす とものり はるかすみたなひくやまのさくらはなみれともあかぬきみにもあるかな (684) 春霞棚引く山の桜花見れども飽かぬ君にもあるかな 「題知らず 友則 春霞棚引く山の桜花を見ても満足しないように逢っても満たされない君であるなあ。...