古典

《臨終の歌》

やまひしてよわくなりにける時よめる なりひらの朝臣 つひにゆくみちとはかねてききしかときのふけふとはおもはさりしを (861) 終に行く道とは予て聞きしかど昨日今日とは思はざりしを 「病気をして弱くなってしまった時に詠んだ 業平の朝臣 終い...
古典

《死を強く意識した時の歌》

身まかりなむとてよめる 藤原これもと つゆをなとあたなるものとおもひけむわかみもくさにおかぬはかりを (860) 露をなど徒なる物と思ひけむ我が身も草に置かぬばかりを 「きっと死んでしまうだろうと思って詠んだ 藤原惟幹 露をなぜ儚く心許ない...
古典

《重病の床の気付き》

やまひにわつらひ侍りける秋、心地のたのもしけなくおほえけれはよみて人のもとにつかはしける 大江千里 もみちはをかせにまかせてみるよりもはかなきものはいのちなりけり (859) 紅葉葉を風にまかせて見るよりも儚き物は命なりけり 「病に苦しみま...