2023-05

古典

《写実と抒情の融合》

しかの山こえにて、いしゐのもとにてものいひける人のわかれけるをりによめる つらゆき むすふてのしつくににこるやまのゐのあかてもひとにわかれぬるかな (404) 掬ぶ手の雫に濁る山の井の飽かでも人に別れぬるかな 「志賀の山越えで、石の井戸の元...
古典

《無理を承知で》

題しらす よみ人しらす しひてゆくひとをととめむさくらはないつれをみちとまよふまてちれ (403) 強ひて行く人を留めむ桜花いづれを道と迷ふまで散れ 「無理に行く人を留めよう。桜花はどれが道かとわからなくするまで散れ。」 「強ひて」は、「行...
古典

《新鮮で大胆な発想》

題しらす よみ人しらす かきくらしことはふらなむはるさめにぬれきぬきせてきみをととめむ (402) 掻き暗しことは降らなむ春雨に濡れ衣を着せて君を留めむ 「同じことなら空をかき曇らせて降ってほしいなあ。春雨に濡れ衣を着せて君を留めよう」 「...