2023-12

古典

《泥濘の恋》

題しらす つらゆき まこもかるよとのさはみつあめふれはつねよりことにまさるわかこひ (587) 真菰苅る淀の沢水雨降れば常より殊に勝る我が恋 「題知らず 貫之 真菰を刈る淀川の沢水は雨が降るといつもより殊に水嵩が勝る。そのようにいつもより特...
古典

《秋風と琴の音》

題しらす たたみね あきかせにかきなすことのこゑにさへはかなくひとのこひしかるらむ (586) 秋風にかきなす琴の声にさへ儚く人の恋しかるらむ 「題知らず 忠岑 秋風にかき鳴らす琴の声までどうして儚く人が恋しいのだろう。」 「さへ」は、副助...
古典

《しんみり続く恋心》

題しらす ふかやふ ひとをおもふこころはかりにあらねともくもゐにのみもなきわたるかな (585) 人を思ふ心は雁にあらねども雲居にのみもなき渡るかな 「題知らず 深養父 人を思う心は雁ではないのに、私はうわの空で泣いてばかりいることだなあ。...