2023-08

古典

《玉の緒の糸》

題しらす 読人しらすかたいとをこなたかなたによりかけてあはすはなにをたまのをにせむ(483)片糸を此方彼方に縒り掛けてあはずは何を玉の緒にせむ「片糸をこちらとあちらに縒り掛けて合わさないで、何を玉の緒にしようか。」「片糸を此方彼方に縒り掛け...
古典

《音による恋》

題しらす つらゆきあふことはくもゐはるかになるかみのおとにききつつこひわたるかな(482)逢ふことは雲居遥かに鳴る神の音に聞きつつ恋ひ渡るかな「逢うことは空の遥かに鳴る雷のように音に聞きながら恋い渡ることだなあ。」「逢ふことは」は、「音に聞...
古典

《声による恋》

題しらす 凡河内みつねはつかりのはつかにこゑをききしよりなかそらにのみものをおもふかな(481)初雁のはつかに声を聞きしより中空にのみ物を思ふかな「初雁のわずかに声を聞いてから中空にばかりものを思うことだなあ。」「初雁の」は、同音の「はつか...