2023-08

古典

《精神分析》

題しらす もとかた(元方) たよりにもあらぬおもひのあやしきはこころをひとにつくるなりけり (480) 便りにもあらぬ思ひのあやしきは心を人に着くるなりけり 「使者でもない思いが不思議なのは、心を人に着けることであったなあ。」 「(あら)ぬ...
古典

《時期をずらす》

人の花つみしける所にまかりて、そこなりける人のもとにのちによみてつかはしける  貫之 やまさくらかすみのまよりほのかにもみてしひとこそこひしかりけれ (479) 山桜霞の間よりほのかにも見てし人こそ恋しかりけれ 「人が花摘みをする所に行って...
古典

《雪間の若草》

かすかのまつりにまかれりける時に、物見にいてたりける女のもとに家をたつねてつかはせりける みふのたたみね かすかののゆきまをわけておひいてくるくさのはつかにみえしきみはも (478) 春日野の雪間を分けて生ひ出で来る草のはつかに見えし君はも...