2023-08

古典

《沖の白波の私》

題しらす 在原元方 たちかへりあはれとそおもふよそにてもひとにこころをおきつしらなみ (474) 立かへりあはれとぞ思ふよそにても人に心をおきつ白浪 「繰り返ししみじみ恋しいと思う。離れた所にいても人に心を置く沖の白波。」 「(あはれと)ぞ...
古典

《噂だけによる恋》

題しらす 在原元方 おとはやまおとにききつつあふさかのせきのこなたにとしをふるかな (473) 音羽山音に聞きつつ逢坂の関のこなたに年を経るかな 「噂に聞きながら逢坂の関のこちらに年を過ごすのだなあ。」 「音羽山」は、「音」に掛かる枕詞。「...
古典

《恋の原動力》

題しらす 藤原勝臣 しらなみのあとなきかたにゆくふねもかせそたよりのしるへなりける (472) 白浪の跡無き方に行く舟も風ぞ頼りの標なりける 「白波の跡が無い方に行く舟も風が頼りになる導きだったのだな。」 「(風)ぞ」は、係助詞で強調を表し...