2023-08

古典

《湖の春》

からさき  伊勢 なみのはなおきからさきてちりくめりみつのはるとはかせやなるらむ (459) 浪の花沖から咲きて散り来めり水の春とは風やなるらむ 「浪の花が沖から咲いて岸へと散って来るようだ。水の春とは風がなっているのだろうか。」 「来めり...
古典

《船路への思い》

からさき あほのつねみ(阿保経覧) かのかたにいつからさきにわたりけむなみちはあとものこらさりけり (458) かの方にいつから先に渡りけむ浪路は跡も残らざりけり 「あの方にいつから先に渡ったのだろう。波路は跡も残らなかったなあ。」 「(渡...
古典

《波の春》

いかかさき 兼覧王 かちにあたるなみのしつくをはるなれはいかかさきちるはなとみさらむ (457) かぢに当たる浪のしずくを春なればいかが咲き散る花と見ざらむ 「櫂に当たる波のしずくを春なのでどうして咲き散る花と見ないだろうか。」 「(はる)...