2023-08

古典

《帰雁》

すみなかし しけはる(滋春) はるかすみなかしかよひちなかりせはあきくるかりはかへらさらまし (465) 春霞中し通ひ路無かりせば秋来る雁は帰らざらまし 「春霞の中に通路が無かったら、秋来る雁は帰らないだろう。」 「(中)し」は、副助詞で強...
古典

《憎き風》

百和香 よみ人しらす はなことにあかすちらししかせなれはいくそはくわかうしとかはおもふ (464) 花ごとに飽かず散らしし風なれば幾十許我が憂しとかは思ふ 「花ごとに満足できず散らした風なので、どれほど私が嫌だと思うか。」 「(飽か)ず」は...
古典

《月の光》

かつらのみや 源ほとこす(源恵) あきくれとつきのかつらのみやはなるひかりをはなとちらすはかりを (463) 秋来れど月の桂の実やはなる光を花と散らすばかりを 「秋が来たけれど、月の桂に実はなるか。光を花と散らすだけだよ。」 「(秋来れ)ど...