2023-08

古典

《女の反応》

返し よみ人しらす しるしらぬなにかあやなくわきていはむおもひのみこそしるへなりけれ (477) 知る知らぬ何かあやなく分きて言はむ思ひのみこそ標なりけれ 「返し 詠み人知らず 知る知らないをどうして無闇に分けて言うのだろう。思いだけが導き...
古典

《恋の駆け引き》

右近のむまはのひをりの日、むかひにたてたりけるくるまのしたすたれより女のかほのほのかに見えけれは、よむてつかはしける 在原業平朝臣 みすもあらすみもせぬひとのこひしくはあやなくけふやなかめくらさむ (476) 見ずもあらず見もせぬ人の恋しく...
古典

《恋の理不尽さ》

題しらす つらゆき よのなかはかくこそありけれふくかせのめにみぬひともこひしかりけり (475) 世中はかくこそありけれ吹く風の目に見ぬ人も恋しかりけり 「世の中はこのようであったのだなあ。吹く風のように目に見えない人も恋しいことだなあ。」...