2023-05

古典

《甘い悲しみ》

題しらす よみ人しらす かきりなくおもふなみたにそほちぬるそてはかわかしあはむひまてに (401) 限なく思ふ涙に濡ちぬる袖は乾かじ逢はむ日までに 「限りなく思う涙にびしょ濡れになる袖は乾かないだろう。逢う日までに。」 「(濡ち)ぬる」は、...
古典

《レトリックが表すもの》

題しらす よみ人しらす あかすしてわかるるそてのしらたまをきみかかたみとつつみてそゆく (400) 飽かずして別るる袖の白玉を君が形見と包みてぞ行く 「満足しないで別れる袖の白玉を君の形見として包んで行くことだ。」 「(飽か)ずして」の「ず...
古典

《別れの喜び》

かねみのおほきみにはしめて物かたりして、わかれける時によめる みつね わかるれとうれしくもあるかこよひよりあひみぬさきになにをこひまし (399) 別るれど嬉しくもあるか今宵より相見ぬ先に何を恋ひまし 「兼覧王に初めてお話して、別れる時に詠...