古典

《自嘲》

題しらす 伊勢 あひにあひてものおもふころのわかそてにやとるつきさへぬるるかほなる (756) あひにあひて物思ふ頃の我が袖に宿る月さへ濡るる顔なる 「題知らず 伊勢 合いに合って物を思う頃の私の袖に宿る月までが濡れる顔であることだ。」 「...
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《救いの掛詞》

題しらす よみ人しらす うきめのみおひてなかるるうらなれはかりにのみこそあまはよるらめ (755) うきめのみ生ひて流るる浦なれば仮にのみこそ海人は寄るらめ 「題知らず 詠み人知らず 浮き芽ばかり育って流れる浦なので、刈りにだけ海人は寄って...
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《女の皮肉》

題しらす よみ人しらす はなかたみめならふひとのあまたあれはわすられぬらむかすならぬみは (754) 花筐目並ぶ人の数多あれば忘られぬらむ数ならぬ身は 「題知らず 詠み人知らず 見比べる人が沢山いるから忘れられてしまっているだろう。取るに足...