古典

《悟りの境地》

題しらす よみ人しらす あふことはたまのをはかりなのたつはよしののかはのたきつせのこと (673) 逢ふ事は玉の緒ばかり名の立つは吉野の河の滾つ瀬のごと 「題知らず 詠み人知らず 逢うことはほんの少し。噂が立つことは吉野の河の早瀬のようだ。...
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《鴛鴦の言い訳》

題しらす よみ人しらす いけにすむなををしとりのみつをあさみかくるとすれとあらはれにけり (672) 池に棲む名ををし鳥の水を浅み隠るとすれど現れにけり 「題知らず 詠み人知らず 池に棲む鴛鴦のように浅い水に隠れようとするが、名が現れてしま...
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《号泣》

題しらす/このうたは、ある人のいはく、かきのもとの人まろかなり 読人不知 よみ人しらす(一説、かきのもとの人まろ) かせふけはなみうつきしのまつなれやねにあらはれてなきぬへらなり (671) 風吹けば浪打つ岸の松なれやねに現れて泣きぬべらな...