古典

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第七十三段 噂はまず嘘と心得よ

 世に語り伝ふる事、まことはあいなきにや、多くは皆虚言(そらごと)なり。あるにも過ぎて人は物を言ひなすに、まして、年月過ぎ、境も隔たりぬれば、言ひたきままに語りなして、筆にも書きとどめぬれば、やがて定まりぬ。道々の物の上手のいみじき事など、...
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《人の心よりはまし》

さくらのごととくちる物はなしと人のいひけれはよめる  貫之 さくらはなとくちりぬともおもほえすひとのこころそかせもふきあへぬ (83) 桜花疾く散りぬとも思ほえず人の心ぞ風も吹き敢へぬ 「桜のように早く散るものは無いと人が...
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第七十二段    多いことは卑しいこと

 賤しげなるもの。居たるあたりに調度の多き。硯に筆の多き。持仏堂に仏の多き。前栽(せんざい)に石・草木の多き。家の内に子・孫の多き。人にあひて詞の多き。願文(がんもん)に作善(さぜん)多く書きのせたる。多くて見苦しからぬは、文車(ふぐるま)...
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