古典

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《号泣》

題しらす/このうたは、ある人のいはく、かきのもとの人まろかなり 読人不知 よみ人しらす(一説、かきのもとの人まろ) かせふけはなみうつきしのまつなれやねにあらはれてなきぬへらなり (671) 風吹けば浪打つ岸の松なれやねに現れて泣きぬべらな...
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《涙の弁明》

題しらす 平貞文 まくらよりまたしるひともなきこひをなみたせきあへすもらしつるかな (670) 枕より又知る人も無き恋を涙堰き敢へず漏らしつるかな 「題知らず 平貞文 枕以外に知る人のない恋なのに、涙が止められず漏らしてしまったことだなあ。...
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《恋の掟破り》

題しらす よみ人しらす おほかたはわかなもみなとこきいてなむよをうみへたにみるめすくなし (669) おほかたは我が名も湊漕ぎ出でなむ世をうみべたにみるめ少なし 「題知らず 詠み人知らず ひととおり私の名前も噂に出してしまおう。あなたに逢う...