古典

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《涙の弁明》

題しらす 平貞文 まくらよりまたしるひともなきこひをなみたせきあへすもらしつるかな (670) 枕より又知る人も無き恋を涙堰き敢へず漏らしつるかな 「題知らず 平貞文 枕以外に知る人のない恋なのに、涙が止められず漏らしてしまったことだなあ。...
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《恋の掟破り》

題しらす よみ人しらす おほかたはわかなもみなとこきいてなむよをうみへたにみるめすくなし (669) おほかたは我が名も湊漕ぎ出でなむ世をうみべたにみるめ少なし 「題知らず 詠み人知らず ひととおり私の名前も噂に出してしまおう。あなたに逢う...
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《努力の限界》

題しらす とものり わかこひをしのひかねてはあしひきのやまたちはなのいろにいてぬへし (668) 我が恋を忍びかねてはあしひきの山橘の色に出でぬべし 「題知らず 友則 「私の恋を隠しきれず顔色に出てしまうに違いない。」 「あしひきの山橘」は...