2024-01

古典

《さりげない巧みさ》

題しらす たたみね つきかけにわかみをかふるものならはつれなきひともあはれとやみむ (602) 月影に我が身を変ふるものならばつれなき人もあはれとや見む 「題知らず 忠岑 月に私の身を変えるものなら、つれない人もあわれと見るだろうか。」 「...
古典

《恋歌の実用性》

題しらす たたみね かせふけはみねにわかるるしらくものたえてつれなききみかこころか (601) 風吹けば峰に分かるる白雲の絶えてつれなき君が心か 「題知らず 忠岑 風が吹くと峰に分かれる白雲のようにすっかりつれない君の心だなあ。」 「風吹け...
古典

《斬新な発想》

題しらす みつね なつむしをなにかいひけむこころからわれもおもひにもえぬへらなり (600) 夏虫を何か言ひけむ心から我も思ひに燃えぬべらなり 「題知らず 躬恒 夏虫を何と言ったのだろうか。私も思いに燃えてしまいそうだ。」 「(何)か」は、...