2024-01

古典

《自分の心が見せた夢》

題しらす みつね きみをのみおもひねにねしゆめなれはわかこころからみつるなりけり (608) 君をのみ思ひ寝に寝し夢なれば我が心から見つるなりけり 「題知らず 躬恒 君をばかり思いながら寝た夢なので、私の心から見たのであったなあ。」 「のみ...
古典

《熟練の大人の歌》

題しらす とものり ことにいてていはぬはかりそみなせかはしたにかよひてこひしきものを (607) 言に出でて言はぬばかりぞ水無瀬川下に通ひて恋しきものを 「題知らず 友則 言葉に出して言わないだけだ。水無瀬川のように心中であなたに通って恋し...
古典

《伝統への挑戦》

題しらす つらゆき ひとしれぬおもひのみこそわひしけれわかなけきをはわれのみそしる (606) 人知れぬ思ひのみこそ侘しけれ我が歎きをば我のみぞ知る 「題知らず 貫之 人知れぬ思いは辛いだけであるが、私の嘆きを私だけが知っている。」 「(知...