2024-01

古典

《涙の色の変化》

題しらす つらゆき しらたまとみえしなみたもとしふれはからくれなゐにうつろひにけり (599) 白玉と見えし涙も年経れば唐紅にうつろひにけり 「題知らず 貫之 真珠と見えた涙も年を経たため唐紅に変わってしまったことだなあ。」 「(見え)し」...
古典

《色の勝る袂》

題しらす つらゆき くれなゐのふりいてつつなくなみたにはたもとのみこそいろまさりけれ (598) 紅の振り出でつつ泣く涙には袂のみこそ色まさりけれ 「題知らず 貫之 声を張り上げて泣く紅の涙には袂だけが色が勝っていることだが・・・。」 「紅...
古典

《恋路と山路との類似》

題しらす つらゆき わかこひはしらぬやまちにあらなくにまよふこころそわひしかりける (597) 我が恋は知らぬ山路にあらなくに迷ふ心ぞ侘しかりける 「題知らず 貫之 私の恋は知らない山道ではないのに迷う心が辛いことだなあ。」 「(知ら)ぬ」...