2024-01

古典

《さりげなさ》

題しらす とものり よひよひにぬきてわかぬるかりころもかけておもはぬときのまもなし (593) 宵宵に脱ぎて我が寝る狩衣掛けて思はぬ時の間も無し 「題知らず 友則 夜ごとに脱いで私が寝る狩衣を掛けるように心に掛けて思わない時の間も無い。」 ...
古典

《うきたる恋》

題しらす たたみね) たきつせにねさしととめぬうきくさのうきたるこひもわれはするかな (592) 滾つ瀬に根ざし留めぬ浮き草のうきたる恋も我はするかな 「題知らず 忠岑 「水が逆巻く瀬に根ざし留まらない浮草のようにふらふらしている恋もするこ...
古典

《見えない真実》

題しらす むねをかのおほより ふゆかはのうへはこほれるわれなれやしたになかれてこひわたるらむ (591) 冬河の上は凍れる我なれや下になかれて恋ひ渡るらむ 「題知らず 宗岳大頼 冬の川が上は凍っている私であろうか。なぜ下に流れて(泣かれて)...