2024-01

古典

《独り寝の侘しさ》

題しらす とものり としをへてきえぬおもひはありなからよるのたもとはなほこほりけり (596) 年を経て消えぬおもひは有りながら夜の袂は尚凍りけり 「題知らず 友則 長年消えない思いはあるけれど、夜の袂なお凍っていることだなあ。」 「(消え...
古典

《無理なき連想》

題しらす とものり しきたへのまくらのしたにうみはあれとひとをみるめはおひすそありける (595) 敷き妙の枕の下に海はあれど人をみるめは生ひずぞ有りける 「題知らず 友則 枕の下に涙の海はあるけれど、人を見る目は生えてないであるなあ。」 ...
古典

《音の技巧》

題しらす とものり あつまちのさやのなかやまなかなかになにしかひとをおもひそめけむ (594) 東路のさやの中山なかなかになにしか人を思ひ初めけむ 「題知らず 友則 東路の小夜の中山ではないが、なまじっか何だって人を思い始めたのだろう。」 ...