古典

《鴛鴦の言い訳》

題しらす よみ人しらす いけにすむなををしとりのみつをあさみかくるとすれとあらはれにけり (672) 池に棲む名ををし鳥の水を浅み隠るとすれど現れにけり 「題知らず 詠み人知らず 池に棲む鴛鴦のように浅い水に隠れようとするが、名が現れてしま...
古典

《号泣》

題しらす/このうたは、ある人のいはく、かきのもとの人まろかなり 読人不知 よみ人しらす(一説、かきのもとの人まろ) かせふけはなみうつきしのまつなれやねにあらはれてなきぬへらなり (671) 風吹けば浪打つ岸の松なれやねに現れて泣きぬべらな...
古典

《涙の弁明》

題しらす 平貞文 まくらよりまたしるひともなきこひをなみたせきあへすもらしつるかな (670) 枕より又知る人も無き恋を涙堰き敢へず漏らしつるかな 「題知らず 平貞文 枕以外に知る人のない恋なのに、涙が止められず漏らしてしまったことだなあ。...