古典

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《情感の乏しさ》

題しらす よみ人しらす こゑはしてなみたはみえぬほとときすわかころもてのひつをからなむ (149) 声はして涙は見えぬ郭公我が衣手の漬つを借らなむ 「声はして涙は見えない郭公よ。私の袖が涙で濡れているのを借りてお前の涙として欲しいなあ。」 ...
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第百三十六段  策略家六条故内府

くすし篤成、故法皇の御前にさぶらひて、供御の参りけるに、「今参り侍る供御の色々を、文字も功能も尋ね下されて、そらに申し侍らば、本草に御覧じあはせられ侍れかし。ひとつも申しあやまり侍らじ」と申しける時しも、六条故内府参り給ひて、「有房ついでに...
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《郭公の声》

題しらす よみ人しらす おもひいつるときはのやまのほとときすからくれなゐのふりいててそなく (148) 思ひ出づるときはの山の郭公唐紅のふりいでてぞ鳴く 「思い出した時、常磐の山の郭公は、美しい紅色のような声を張り上げて鳴くのだなあ。」 「...