古典

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《寂しさの条件》

題しらす よみ人しらす ひくらしのなくやまさとのゆふくれはかせよりほかにとふひともなし (205) 蜩の鳴く山里の夕暮れは風より他に訪ふ人も無し 「蜩の鳴く山里の夕暮れは風より他に訪ねる人もいない。」 「夕暮れは」の「は」は、主題・話題を表...
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第百八十八段  大事を思い定める

この法師のみにもあらず。世間の人、なべてこの事あり。若き程は、諸事につけて、身を立て、大きなる道をも成じ、能をもつき、学問をもせんと、行末久しくあらます事ども心にはかけながら、世を長閑に思ひてうち怠りつつ、先づ、さしあたりたる目の前の事にの...
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《「日暮らし」ではなく「日暗し」

題しらす よみ人しらす ひくらしのなきつるなへにひはくれぬとおもふはやまのかけにそありける (204) 蜩の鳴きつるなへに日は暮れぬと思ふは山の蔭にぞありける 「蜩が鳴き止むのと同時に日は暮れてしまったと思うのは、山の蔭であったのだなあ。」...