古典

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《秋の深まり》

題しらす 読み人知らず/このうたは、ある人のいはく、柿本の人まろかなりと よをさむみころもかりかねなくなへにはきのしたはもうつろひにけり (211) 夜を寒むみ衣かりがね鳴くなへに萩の下葉も移ろひにけり 「題知らず 読み人知らず/ある人が言...
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第百九十三段  専門・専門家の取り扱い方

くらき人の、人をはかりて、その智を知れりと思はん、さらにあたるべからず。つたなき人の、碁うつ事ばかりにさとく巧みなるは、かしこき人の、この芸におろかなるを見て、己が智に及ばずと定めて、万の道の匠、我が道を人の知らざるを見て、己すぐれたりと思...
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《春の雁・秋の雁》

題しらす よみ人しらす はるかすみかすみていにしかりかねはいまそなくなるあききりのうへに (210) 春霞かすみて往にし雁金は今ぞ鳴くなる秋霧の上に 「春霞が霞んで去ってしまった雁は今鳴いているようだ。秋霧の上に。」 「往にし」の「に」は自...