古典

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《菊に託す思い》

これさたのみこの家の歌合のうた きのとものり つゆなからをりてかささむきくのはなおいせぬあきのひさしかるへく (270) 露ながら折りて挿頭さむ菊の花老いせぬ秋の久しかるべく 「是貞の親王の家の歌合の歌  紀友則 露が付いたまま折って冠に挿...
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《殿上の感激》

寛平御時きくの花をよませたまうける としゆきの朝臣 ひさかたのくものうへにてみるきくはあまつほしとそあやまたれける (269) /この歌は、また殿上ゆるされさりける時にめしあけられてつかうまつれるとなむ 久方の雲の上にて見る菊は天つ星とぞ誤...
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《切々たる思い》

人のせんさいにきくにむすひつけてうゑけるうた 在原なりひらの朝臣 うゑしうゑはあきなきときやさかさらむはなこそちらめねさへかれめや (268) 植ゑし植ゑば秋無き時や咲かざらむ花こそ散らめ根さへ枯れめや 「人の庭の植え込みに菊に結びつけて植...