古典

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《見えぬ紅葉》

やまとのくににまかりける時、さほ山にきりのたてりけるを見てよめる きのとものり たかためのにしきなれはかあききりのさほのやまへをたちかくすらむ (265) 誰がためのの錦なればか秋霧の佐保の山辺を立ち隠すらむ 「大和国に行った時、佐保山に霧...
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《極上の美》

寛平御時きさいの宮の歌合のうた  よみ人しらす ちらねともかねてそをしきもみちははいまはかきりのいろとみつれは (264) 散らねども予てぞ惜しき紅葉葉は今は限りの色と見つれば 「寛平御時后の宮の歌合の歌  詠み人知らず 散ってはいないけれ...
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《圧倒的な紅葉》

これさたのみこの家の歌合によめる たたみね あめふれはかさとりやまのもみちははゆきかふひとのそてさへそてる (263) 雨降れば笠取山の紅葉葉は行き交ふ人の袖さへぞ照る 「是貞の親王の家の歌合で詠んだ  忠岑 雨が降れば笠取山の紅葉葉は行き...