2023-11

古典

《恋の主役は私》 古今集 巻十二:恋二

題しらす 小野小町 おもひつつぬれはやひとのみえつらむゆめとしりせはさめさらましを (552) 思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを 「思いながら寝たから人が見えたのだろうか。夢と知っていたら覚めなかったのに。」 「(思...
古典

《繁き恋》

題しらす 読人しらす おくやまのすかのねしのきふるゆきのけぬとかいはむこひのしけきに (551) 奥山の菅の根凌ぎ降る雪の消ぬとか言はむ恋の繁きに 「奥山の菅の根を押し伏せて降る雪が消えてしまうと言おうか。恋の絶え間無さに。」 「奥山の菅の...
古典

《枝の泡雪》

題しらす 読人しらす あはゆきのたまれはかてにくたけつつわかものおもひのしけきころかな (550) 泡雪の溜まればかてに砕けつつ我が物思ひの繁き頃かな 「泡雪が木に溜まると耐えられず落ちて砕ける。そのように砕けながら物思いばかりしているこの...