2023-11

古典

《夢の直路》

寛平御時きさいの宮の歌合のうた 藤原としゆきの朝臣 こひわひてうちぬるなかにゆきかよふゆめのたたちはうつつならなむ (558) 恋ひ侘びてうち寝る中に行き通ふ夢の直路は現ならなむ 「寛平御時の后の宮の歌合の歌 藤原敏行の朝臣 恋い悩み寝る中...
古典

《はぐらかす》

返し こまち おろかなるなみたそそてにたまはなすわれはせきあへすたきつせなれは (557) おろかなる涙ぞ袖に玉は成す我は堰敢へず滾つ瀬なれば 「返し 小町 いい加減な涙が袖に玉は作る。私は堰き止められない。わきたつ川瀬なので。」 「(涙)...
古典

《涙の訳》

しもついつもてらに人のわさしける日、真せい法しのたうしにていへりけることを歌によみてをののこまちかもとにつかはしける あへのきよゆきの朝臣 つつめともそてにたまらぬしらたまはひとをみぬめのなみたなりけり (556) 包めども袖に溜まらぬ白玉...