古典 第二百四十三段 この親にしてこの子あり 八になりし時、父に問ひて言はく、「仏は如何なるものにか候ふらん」といふ。父が言はく、「仏には人のなりぬるなり」と。又問ふ、「人は何として仏には成り候ふやらん」と。父又、「仏の教へによりてなるなり」と答ふ。又問ふ、「教へ候ひける仏をば、なにが... 2022.12.16 古典
古典 《神の領域でさえも》 神のやしろのあたりをまかりける時にいかきのうちのもみちを見てよめる つらゆき ちはやふるかみのいかきにはふくすもあきにはあへすうつろひにけり (262) ちはやぶる神の斎垣に這ふ葛も秋には敢へず移ろひにけり 「神の社の辺りを通った時に玉垣の... 2022.12.15 古典
古典 第二百四十二段 三大欲 とこしなへに違順に使はるる事は、ひとへに苦楽のためなり。楽といふは、好み愛する事なり。これを求むること、やむ時なし。楽欲(ぎょうよく)する所、一には名なり。名に二種あり。行跡と才芸との誉なり。二には色欲、三には味なり。万の願ひ、この三にはし... 2022.12.14 古典