古典

《梅の香の案内者》

寛平御時きさいの宮のうたあはせのうた   紀とものり はなのかをかせのたよりにたくへてそうくひすさそふしるへにはやる (13) 花の香を風の便りにたぐへてぞ鶯誘ふ標にはやる たぐへ(ふ):連れ添わせる。 しるべ:道案内。案内者。 「寛平御時...
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第十段  住居は人柄

家居のつきづきしく、あらまほしきこそ、仮の宿りとは思へど、興あるものなれ。 よき人の、のどやかに住みなしたる所は、さし入りたる月の色も、一際しみじみと見ゆるぞかし。今めかしくきららかならねど、木だちものふりて、わざとならぬ庭の草も心あるさま...
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《小さな変化を喜びに変える》

寛平御時きさいの宮のうたあはせのうた   源まさすみ たにかせにとくるこほりのひまことにうちいつるなみやはるのはつはな (12) 谷風に溶くる氷の隙毎に打ち出づる浪や春の初花 寛平御時:宇多天皇の御代。八八九年~八九八年。 きさいの宮:皇后...