古典

《秋の初風への思い》

題しらす よみ人しらす わかせこかころものすそをふきかへしうらめつらしきあきのはつかせ (171) 我が背子が衣の裾を吹返しうら珍しき秋の初風 「愛しいあなたの衣の裾を吹き返し、衣の裏を見せる。ああ珍しくていいなと思われる。そんな秋の初めの...
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第百五十八段  故事問答

「盃のそこを捨つる事は、いかが心得たる」と、或人の尋ねさせ給ひしに、「凝当(ぎょうとう)と申し侍るは、そこに凝りたるを捨つるにや候ふらん」と申し侍りしかば、「さにはあらず。魚道(ぎょだう)なり。流れを残して、口のつきたる所をすすぐなり」とぞ...
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《浪と共に立つ秋》

秋たつ日、うへのをのこともかものかはらにかはせうえうしけるともにまかりてよめる  つらゆき) かはかせのすすしくもあるかうちよするなみとともにやあきはたつらむ (170) 川風の涼しくもあるか打ち寄する浪と共にや秋は立つらむ 「立秋の日、殿...