古典

《秋の音》

題しらす よみ人しらす あきはきをしからみふせてなくしかのめにはみえすておとのさやけさ (217) 秋萩を柵み伏せて鳴く鹿の目には見えずて音の清けさ 「秋萩を絡め倒して鳴く鹿の、目には見えないものの、音の何と澄み通っていることよ。」 「鹿の...
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第二百三段  靫の作法

勅勘の所に靫(ゆぎ)かくる作法、今はたえて知れる人なし。主上の御悩(ごなう)、大方、世中の騒がしき時は、五条の天神に靫をかけらる。鞍馬にゆぎの明神といふも、靫かけられたりける神なり。看督長(かどのおさ)の負ひたる靫を、その家にかけられぬれば...
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《寂しさへの共感》

題しらす よみ人しらす あきはきにうらひれをれはあしひきのやましたとよみしかのなくらむ (216) 秋萩にうらびれをればあしひきの山下響み鹿の鳴くらむ 「秋萩に思いしおれているので、山の麓が鳴り響く状態で鹿が鳴いているのだろう。」 「うらび...