古典

第二百段  竹の違い

呉竹は葉細く、河竹は葉広し。御溝(みかわ)に近きは河竹、仁寿殿のかたに寄りて植ゑられたるは呉竹なり。 御溝:清涼殿本庭の溝。 「呉竹は葉が細く、河竹は葉が広い。御溝に近い方は河竹、仁寿殿の方に寄って植えられているのは呉竹である。」 呉竹と河...
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第百九十九段  音律の違い

横川の行宣法印が申し侍りしは、『中国は呂の国なり。律の音なし。和国は単律の国にて、呂の音なし』と申しき。 横川:比叡山三塔の一つ。 「横川の行宣法印が言いましたことには、『唐土は呂旋の国である。律の旋律は無い。日本は律旋の国で、呂旋は無い。...
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第百九十八段  関心の幅

揚名介(ようめいのすけ)にかぎらず、揚名目(ようめいのさかん)といふものもあり。政事要略にあり。 揚名介:『源氏物語』夕顔の巻に「揚名介なる人の家になむありける」とあり、古来その意味について種々論じられてきた。 政事要略:平安時代の法制書。...