古典

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《桜を折る心》

題しらす よみ人しらす ちりぬれはこふれとしるしなきものをけふこそさくらをらはをりてめ (64) 散りぬれば恋ふれど著し無きものを今日こそ桜折らば折りてめ てめ:「て」は、意志的完了の助動詞「つ」の未然形。「め」は意志の助動詞「む」の已然形...
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第五十四段   法師の実態

御室に、いみじき児のありけるを、いかでさそひ出して遊ばんとたくむ法師どもありて、能あるあそび法師どもなどかたらひて、風流の破子やうのもの、ねんごろに営み出でて、箱風情の物にしたため入れて、双の岡の便よき所に埋みおきて、紅葉散らしかけなど、思...
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《散ってしまえば桜じゃない》

返し なりひらの朝臣 けふこすはあすはゆきとそふりなましきえすはありともはなとみましや   (63) 今日来ずは明日は雪とぞ降りなまし消えずは有りとも花と見ましや ずは:仮定を表す。「もし・・・ならば」 まし:反実仮想の助動詞。「もし・・・...