古典

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《落花乱舞》

題しらす  よみ人しらす このさとにたひねしぬへしさくらはなちりのまかひにいへちわすれて (72) この里に旅寝しぬべし桜花散り紛ひに家路忘れて しぬべし:「し」動詞「す」の連用形。「ぬ」完了の助動詞の終止形。「べし」推量の助動詞の終止形。...
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第六十一段   民間から入った宮中の習俗

御産のとき甑落す事は、さだまれる事にはあらず、御胞衣とどこほる時のまじなひなり。とどこほらせ給はねば、この事なし。下ざまより事おこりて、させる本説なし。大原の里の甑を召すなり。古き宝蔵の絵に、賤しき人の子うみたる所に、甑落したるを描きたり。...
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《逆説的表現》

題しらす よみ人しらす のこりなくちるそめてたきさくらはなありてよのなかはてのうけれは (71) 残りなく散るぞめでたき桜花ありて世中果ての憂ければ 「残り無くすっかり散ってしまうのが素晴らしいのだ、桜の花は。有り続けて、世の中はその果てが...