古典

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第六十三段    儀式の本質

後七日の阿闍梨、武者をあつむる事、いつとかや盗人にあひにけるより、宿直人とて、かくことごとしくなりにけり。一年の相は、この修中のありさまにこそ見ゆなれば、兵を用ゐん事、おだやかならぬことなり。 後七日:「後七日の後修法」。陰暦正月八日から七...
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《桜は人の世の象徴》

題しらす よみ人しらす うつせみのよにもにたるかはなさくらさくとみしまにかつちりにけり (73) 空蝉の世にも似たるか花桜咲くと見し間にかつ散りにけり 空蝉の:「世」に掛かる枕詞。「空蝉」は、この世の人。現に肉体を持っている人間。 似たるか...
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第六十二段    幼き内親王の才気

延政門院いときなくおはしましける時、院へ参る人に御言づてとて申させ給ひける御歌、 ふたつもじ牛の角もじすぐなもじゆがみもじとぞ君はおぼゆる  こひしくおもひまゐらせ給ふとなり。 延政門院:後嵯峨天皇の第二皇女悦子内親王。 申させ給ひける:「...