古典

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《山の桜も散り始める》

春哥下 題しらす よみ人しらす はるかすみたなひくやまのさくらはなうつろはむとやいろかはりゆく (69) 春霞棚引く山の桜花移ろはむとや色変はり行く 「春霞が棚引く山の桜花は散ろうとするのか色が変わってゆく。」 この歌から「春哥下」が始まる...
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第五十九段   大事を決意する際の心得

大事を思ひたたん人は、避りがたく、心にかからん事の本意を遂げずして、さながら捨つべきなり。「しばし、この事はてて」、「同じくはかの事沙汰しおきて」、「しかしかの事、人の嘲りやあらん、行末難なくしたためまうけて」、「年来もあればこそあれ、その...
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《歌合の歌・「春上」の最後の歌》

亭子院歌合の時よめる  伊勢 みるひともなきやまさとのさくらはなほかのちりなむのちそさかまし (68) 見る人も無き山里の桜花他の散りなむ後ぞ咲かまし 亭子院歌合:九一七年、宇多天皇が上皇となって、亭子院においでになって催された。 山里:普...