山川 信一

古典

《効果的な技巧》

題しらす 清原ふかやふ みつしほのなかれひるまをあひかたみみるめのうらによるをこそまて (665) 満つ潮の流れひるまを逢ひ難みみるめの浦によるをこそ待て 「題知らず 清原深養父 昼間は逢い難いので、夜を待っているが・・・。」 「満つ潮の流...
古典

《噂の否定》

題しらす/この歌、ある人、あふみのうねめのとなむ申す 読人しらす(一説、あふみのうねめ) やましなのおとはのやまのおとにたにひとのしるへくわかこひめかも (664) 山科の音羽の山の音にだに人の知るべく我が恋ひめかも 「題知らず 詠み人知ら...
古典

《恋の誠》

題しらす みつね ささのはにおくはつしものよをさむみしみはつくともいろにいてめや (663) 笹の葉に置く初霜の夜を寒みしみはつくとも色に出でめや 「題知らず 躬恒 笹の葉に置く初霜が夜の寒さに凍るように、あなたを思っていても顔色に出すだろ...