山川 信一

古典

第二百三十八段  兼好の自慢話 その五 ~仏教の知識~

一、那蘭陀寺にて、道眼聖談義せしに、八災といふ事を忘れて、「これや覚え給ふ」と言ひしを、所化みな覚えざりしに、局の内より、「これこれにや」と言ひ出したれば、いみじく感じ侍りき。 八災:憂・苦・喜・樂・尋・伺・出息・入息の八つ。心の統一...
古典

《秋は西から》

貞観の御時、綾綺殿のまへにむめの木ありけり。にしの方にさせりけるえたのもみちはしめたりけるをうへにさふらふをのことものよみけるついてによめる 藤原かちおむ おなしえをわきてこのはのうつろふは西こそ秋のはしめなりけれ 同じ枝を分き...
古典

第二百三十八段  兼好の自慢話 その四 ~書道の知識~

一、人あまたともなひて、三塔巡礼の事侍りしに、横川の常行堂のうち、竜華院と書ける古き額あり。「佐理・行成のあひだ疑ひありて、いまだ決せずと申し伝へたり」と、堂僧ことごとしく申し侍りしを、「行成ならば裏書あるべし。佐理ならば裏書あるべからず」...
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