2023-10

古典

《妖しい恋の炎》

題しらす 読人しらすかかりひにあらぬわかみのなそもかくなみたのかはにうきてもゆらむ (529)篝火にあらぬ我が身のなぞもかく涙の河に浮きて燃ゆらむ「篝火ではない我が身がどうしてこのように涙の河に浮いて燃えているのだろう。」「(あら)ぬ」は、...
古典

《物に寄り添えない影》

題しらす 読人しらすこひすれはわかみはかけとなりにけりさりとてひとにそはぬものゆゑ (528)恋すれば我が身は影となりにけりさりとて人に添はぬものゆゑ「恋するので、私の身は影となってしまったことだなあ。だからと言って、人に添わないのだけれど...
古典

《憂き寝》

題しらす 読人しらすなみたかはまくらなかるるうきねにはゆめもさたかにみえすそありける (527)涙川枕流るるうき寝には夢も定かに見えずぞありける「涙の川に枕が流れるほどつらい眠りには夢もはっきり見えないのであったなあ。」「涙川枕流るる」は、...