古典 第百五十段 芸道修行の心得 能をつかんとする人、「よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得てさし出でたらんこそ、いと心にくからめ」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。いまだ堅固かたほなるより、上手の中にまじりて、毀り笑はるるにも... 2022.04.27 古典
古典 《松山で聞く郭公》 山に郭公のなきけるをききてよめる つらゆき ほとときすひとまつやまになくなれはわれうちつけにこひまさりけり (162) 郭公人まつ山に鳴くなれば我うちつけに恋まさりけり 「山に郭公が鳴いたのを聞いて詠んだ 貫之 郭公が人を待つと思わせる松... 2022.04.26 古典
古典 第百四十九段 医薬品の扱い方 鹿茸を鼻にあてて嗅ぐべからず。小さき虫有りて、鼻より入りて脳を食むといへり。 鹿茸:鹿の袋角。初夏に生え替わった新しい角で、袋のような薄い膜が被さっている。強壮剤などに使われる。 「鹿茸を鼻に当てて嗅いではいけない。小さな虫があって、鼻から... 2022.04.25 古典