古典 第百四十六段 目の付け所 明雲座主、相者にあひ給ひて、「おのれ、もし兵杖の難やある」と尋ね給ひければ、相人、「誠にその相おはします」と申す。「いかなる相ぞ」と尋ね給ひければ、「傷害のおそれおはしますまじき御身にて、かりにも、かく思し寄りて尋ね給ふ、これ既に、その危ぶ... 2022.04.22 古典
古典 《雨にも負けず》 郭公のなくをききてよめる つらゆき さみたれのそらもととろにほとときすなにをうしとかよたたなくらむ (160) 五月雨の空も轟に郭公なにを憂しとか夜直鳴くらむ 「郭公が鳴くのを聞いて詠んだ 貫之 五月雨が空も響くほど降っている。郭公は何を... 2022.04.21 古典
古典 第百四十五段 専門家の一言 御随身秦重躬、北面の下野入道信願を、「落馬の相ある人なり。よくよく慎み給へ」と言ひけるを、いと真しからず思ひけるに、信願馬より落ちて死ににけり。道に長じぬる一言、神のごとしと人思へり。 さて、「いかなる相ぞ」と人の問ひければ、「きはめて桃... 2022.04.20 古典